「あたしと郁理が5歳ぐらいの時だったと思うんだけど…」
「けっこう前だな」
懐かしい目をしながら俺に話す。
「折り紙で作った指輪をさ、お互い交換して…」
「あったかもな。そんなこと」
「あの時の折り紙の色覚えてる?」
「黄色だっけ?」
「全然違うよ!…あたしが薄いピンクで郁理が水色」
まったく覚えてないけど…少し思い出してきた。
指輪を交換して言った言葉…
「将来、俺のお嫁さんになって…だっけ」
「郁理も覚えてるじゃん」
「まぁな…」
「可愛いよね」
小さい時だから言えた言葉だと思う。
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