悲しい笑顔からいつもの明るい笑顔になった陽椰くんは、あたしの頭を軽く叩く。


「今の彼氏が嫌になったら、いつでも俺んとこ来いや!」

「…そうだね」


いつまでも悲しい顔してるのはダメ…。

あたしも陽椰くんに笑って見せた。


「彩葉ちゃんのことは諦めんでっ!覚悟しときーや」

「困ったなぁ」

「来年は本命で期待しとるから!またな、彩葉ちゃん」

「うん…またね!」


意地悪っぽく笑う顔がどこか郁理に似てる気がした。


陽椰くんはあたしの大切な友達で、郁理はあたしの大好きな人。

だから本命は郁理。