陽椰くんは一度、教室にたくさんのチョコを置きにいった。
あたしは陽椰くんの教室を覗くと、机の上にはチョコが山積みになっている。
このチョコの量は郁理といい勝負じゃない!?
「彩葉ちゃん入らんの?」
「あ…うん。入る」
陽椰くんしかいない教室に足を踏み入れると、あたしの教室とは違う匂いがする。
「チョコもらう前に聞きたいんやけど…俺のことどう思っとる?」
少し寂しそうな笑顔を見せて、真剣な顔になる。
あたしの胸はズキズキと痛む。
「好きって言ってもらえて嬉しかったけど…友チョコとして受け取って下さい…」
ピンクのラッピングで包まれたチョコを陽椰くんに差し出す。

