ぐるぐる悩んだままの放課後。
俺は一人で廊下を歩いていた。
バレンタインシーズンか何なのか知らないけど、また告白されることが増えた。
今も体育館で告白を受けた帰り。
もちろん、丁重に断ったけど。
他の女には興味ない…
俺には彩葉さえいてくれればそれでいい。
「おっ!偶然やなぁ~…噂通りのイケメンくん」
声のする方を見ると、ちょうど階段から降りてきて鉢合わせになった秋月。
今、コイツの顔は見たくねぇ…。
構いもしないで俺が階段に昇ると、
「シカトはないやろーイケメンくん!」
「なんだよ…お前」
「無愛想やなっ!そない態度しとったら……本気で彩葉ちゃんもらっちゃうで?」

