俺も軽く手を振り返すが、妙に別れにくい。 「なんか、ここまで家近いと別れにくい」 「それ分かるよ」 二人で少し黙り込む。 「そうだ…郁理。相談がある」 「なに?」 彩葉が相談なんて珍しい。 俺に近づき小声で話し出す。 「あたしってなんで彼氏できないと思う?」 「彼氏…?」 「そう彼氏」 もしかして気にしてたのか…。 まともな考えは浮かばない。 「彩葉さ…大人っぽいからじゃない?」 「そうかな…」 「それに彩葉って男子に近づくなオーラだしてない?」 「それは……」