しばらく立ってると郁理が美術準備室から出て来た。
ヤバい見つかる…!
あたしは隣接する美術室に入った。
平然としてる郁理と…彩希ちゃんはどうなんだろう…。
出てこない。
あたしは美術準備室に軽くノックして入る。
「…あ、彩希ちゃん…?」
「いっ、彩葉先輩…わ、私…フラれちゃいましたっ!」
「そっか……」
ゴシゴシとブレザーで目を拭う彩希ちゃんが健気で…。
慰めるのは逆に失礼かもしれない。
「郁理先輩に彼女いるの…わかってたんです」
「えっ…?」
「昨日知ったんです…彩葉先輩でしょ?彼女さんって?」
「あ、えっ、と…」
どうしよう。
あたしの手が震える。

