テスト前日の昼休み。
人がしけた教室で美柚とテストへのラストスパートをかけていた。
「彩葉はさぁ~…郁理くんに数学教えてもらってるの?」
「うん。意外とわかりやすくてびっくり」
「そうなんだっ!あたしは5教科全般奏真にお世話になってるから」
「そっかぁ」
笑いながら話していると、美柚があたしに耳打ちするようにして言った。
「ねぇ……彩葉はさ…郁理くんとシた?」
「え?なにを?」
「決まってんじゃなぁ~い♪キス以上のことよっ」
キス以上のこと……
キス以上のことなんてっ…
「するはずないっ!」
「ちょっ、声デカイって」
勉強しに行ってるだけだしねっ!?

