あぁ…誰か狼になりかけてる郁理を止めて下さい！
あたしは数学を教えてもらうために来たのに！
「彩葉ちょー可愛い…幼なじみでよかった」
「どうして？」
「好きっつー感情には気付きにくいけど、幼なじみだったらずっと一緒にいれんじゃん」
「確かにそうかも……」
「俺から離れんじゃねーぞ」
「離れるわけないよ。郁理こそ他の女の子んとこ行ったらダメだからね？」
「行くわけないから」
何だかんだ言ってあたしもあたし。
こんなの他から見たら、ただのバカップル。
それでも、なんだかすっごく幸せな気分。
数学よりも郁理のが好き……
「じゃなくてっ！勉強するの！」
「え～。なんかいい感じの雰囲気になってたのに」
「数学だよ！数学！」
「はいはい。ったく真面目彩葉」
「不真面目郁理よりはマシよ」
このままでいたかったけど、さすがに成績がね？
