ため息混じりにペンを持つ。
「どこわかんねーの?チビ彩葉」
「そっ、その前に…あのっ…座る場所変えて」
「いいじゃんかよ。こっちのが教えやすい」
「そんなことないって!」
今の体制は、郁理があたしを脚の間に入れてぎゅうっと抱きしめられてる感じ。
直立不動で正座してるあたし。
距離が近すぎて心臓がおかしくなりそう…。
こんなんじゃ勉強どころじゃないしっ!!
「離して郁理!今日は勉強教えてくれんでしょ?」
「勉強だよ。なに…それ以外の勉強でもしたいの?」
「なっ!ち、違うよ!したいのは郁理じゃない…」
「ん、俺はけっこう我慢してるよ。彩葉見てたらヤバいし。色々と」
「とにかくダメなものはダメだから…」
郁理に変なスイッチが入っちゃったっぽい。
あたしのお腹に回す腕にぐっと力が入り、さらにぴったりとくっつく。

