学校が終わってから真っ直ぐ郁理んちに行った。


「いらっしゃ~い、彩葉ちゃん!」

「あっ、お邪魔します!」


今日は郁理のお母さんいたみたい。

いつも仕事でいないから珍しい。


「郁理の机の上が…しばらく見ないうちにアマゾン!」

「しょーがねーだろ。置く場所ったら机の上しかないし」

「本ぐらい本棚に入れようよぉ~…」

「母親は一人で十分。勉強すんだろ?」

「するする」


あたしは部屋の中心にある小さめの低いテーブルの前に正座する。


大嫌いな数学の教科書とノートを出す。


ほんとに数学嫌いなんだけど…