【彩葉side】



「待ってよ!彩葉ぁ〜」

「おいで、郁理!」


5歳。

手を繋いでずっと一緒にいた。



「彩葉!ダンゴムシ!」

「ちょっ、やっ!やめて!郁理!」


10歳。

何だかんだ言って一緒にいた。



「なぁ〜彩葉」

「話しかけないで…」


14歳。

少し郁理を遠ざけた。



「おい、チビ彩葉」

「うっさい、デカ郁理」


そして今。

あたり前のように一緒にいる。



朝日が眩しい春の朝。


あたし広瀬彩葉(ヒロセイロハ)は、幼なじみの新井郁理(アライユウリ)と一緒に高校までの道を歩いてる。