「俺達はこれから仕事に行かなくちゃならない。君はリュウガの家に先に行っていると良い」



私へ差し出すアキの綺麗で長い手を取ると、下で止められていた車へと入れられた。



もうそこにリュウガさんの姿はなく



「じぁまた明日」




どうやら私はここから一人らしい。



他人の家に行くのに、一人きりらしい。



そもそもリュウガさんの家って?

一人暮らしなの?一人暮らしだったら若い男女が2人きりはまずいでしょ。


それとも実家?
実家ってことは裏の世界のお方の家ってこと?



まったく分からない状況で車に詰め込まれた私は、笑顔で去って行くアキさんに手を振る他なかった。