ブラックⅠ-出会い-




準備の為に教室の後ろに集められた机の上で、イツキはペロペロキャンディーを舐めながら皆を暇そうに眺めている。



多分本当はイツキも準備がしたいんだと思う。



皆はきっとブラストの幹部ってだけだイツキをヒイキしてるのかもしれない。



「イツキ君がやるような仕事じゃないよ」とか「休憩してて」なんて言われてるけど、きっと本当はイツキだって皆と同じようにしたいに違いない。




だってイツキはただの高校一年生だ。

ただの私と同じ16歳だ。




喧嘩が強いから?

大きなチームの幹部だから?

皆が憧れる存在だから?




でもイツキはイツキだ。



そして私は私なんだ。

レイジの彼女で居る前に、私は私でしかない。





だからこんなところで偉そうに皆の作業を見てるなんてダメだ。