君が残してくれたもの


「そうじゃねぇだろ!!」

「羽音さん――…!!」

海里さんがそう呟いたのと蓮さんが私を呼んだのとほぼ同時だった。

振り向いたら、大きくて太い手…に見えたソレは私めがけて降り下ろされていた。

三人とも、私の名前を呼んだり私の方に走ってくるのだけれど、間に合わないと自分でも分かった。

殴られる。

そう思って私は瞳を閉じた。





















…が、何の衝撃も襲ってこなかった。


ゆっくり瞳を開けると






目の前には玲音がいた。