ずっと空を眺めて数十分。
未だに私の心は晴れないでいる。

彼女に言われたことが気になっているのかそれとも違うことが気になっているのか…それすらも分からないでいる。

一つ言えるのは…今、誰でもいいから傍にいてほしいと言うこと。

寂しいと聞かれれば素直に「うん」と言える気がする。

ーキィィィ…

錆びた屋上のドアが開く音が聞こえた。
ゆっくりドアの方へ首を傾けると怠そうにドアに背を預ける玲音に嬉しそうにニコニコ笑う紫恩。

眠そうに欠伸を溢す悠希がいた。

不覚にも少しだけ安心してしまった自分がいる。
私を探しに来てくれた訳じゃないのは分かってる。

サボりたいが為に屋上に来たということも。
それでも、ほんの少しだけ…嬉しかった。