いつも通りだった。 何をするわけでもなく、夜の街をただ歩いていた。 「ねぇ、お嬢さん。こんな時間になにしてんの?」 「…………」 話しかけてきたのは、いかにもな格好をした数人の男。 こういうことは、夜の街にでていると何度か体験するものだ。 まったく、世の中腐ったもんだ。 「別に、散歩ですよ?」 笑顔という名の仮面をつけ、平然と答える私はきっと異常なのだろう。