ナピュレの恋【完】


「何か邪魔しちゃったわね。また来るわ」


帰ろうとした。


こんなのあたしじゃない。


だめだ、秀二のことで弱ってんな、あたし。


「なーに言ってんですか。邪魔なわけないじゃないですか。ほら来てくださいって」


裕也の言葉に戸惑っていると


―トンッ―


「…なっ!?」


「早く行きなさいよ。なにウジウジしてんのよ。そんな年でもないでしょうが」


後ろから花音に背中を押された。


確かにウジウジするような年でもないんだけど…。


「やっぱり惚れてんじゃない」


「惚れてない!!」


そんな会話をしながら奥へと進んだ。