ナピュレの恋【完】

「しゅ…じ…」


思うように声が出てこない。


「なつこ…」


やめてよ…そんな声で呼ばないで。


やっとやっと、前に進めると思ってたのに。


この3ヶ月間、秀二と話すことなんてなかった。


なのに、どうして今になって…。


「どうしたんですか?しゅ…秋本さんも喉乾いたんですか?」


もうあたしたちは終わったんだ。


軽々しく名前で呼んじゃいけないよね。


もうただの会社の先輩。


なつこは敬語を使い線を引いた。