「なつこ?」 「え、ちょっ…」 横から“ギュッ”と抱きしめられ、焦った。 「どうした?」 「な、にが…?」 覗き込む裕也にドキドキした。 「だって、泣いてるから」 「え。あ…本当だ」 言われて気付いた、涙。 でも何の涙かは分からない。 裕也との最後の夜だから、なのか。 ただ夜景が綺麗で、なのか。 なつこ自身にも分からなかった。