「あ、これじゃない?行こうか」 「うん」 なつこの言葉に裕也も立ち上がった。 「え、いいよ。これくらい自分で…」 「だーめ」 手荷物までさりげなく持ってくれる。 優しくされればされるほど、なつこの心は乱れていった。 ねぇ、裕也。 どうしてそんなに優しいの? 言ってもいいんだよ? “沙英子さんが好きだ”って。 そんな苦しそうな笑顔見てるほうがツライよ。