ずっとなつこは、それが気になっていた。


好きだと言ってすぐ帰る行動に警戒はしていた。


沙英子がどんなことを言ってくるのか、なつこの心臓はバクンバクン鳴っていた。


「裕也、ごめんね。また来ちゃって…」


そう言って悲しい目で笑う沙英子。


「どうしても裕也に話したいことがあって」


真っ直ぐ裕也を見つめる沙英子に、なつこは自分がいてはいけないと思い消えようとした。


「あ、たし邪魔だよね。今日は帰るよ」


帰ろうとしたなつこを止めたのは…沙英子だった。


「彼女さんも聞いてくれますか?」と。


なつこは渋々だが、いることにした。