二人でマンションに帰る。 一緒に帰る時は必ず裕也の部屋に行くのが日課となっている。 いつものように5階を押して“チン”という音がしてドアが開き、裕也の部屋へと向かう。 異変に気付いたのは、なつこだった。 「あ…」 という声に裕也も、なつこの視線を辿った。 「さ、えこ…」 部屋の前にいたのは元カノの沙英子だった。 前に来た時、裕也に好きだと言って、でもなつこという彼女がいると分かるとすぐに帰った。