「さて、そろそろ帰ろうかな」 貴子が席を立ちあがり、なつこが時計を見ると23時半を過ぎた頃だった。 「あ、ほんと。もうこんな時間」 楽しい時間は、あっという間だ。 仕事は時間が経つのが遅いのに、どうして遊ぶ時間はこんなにも早いのだろう、といつも思う。 「なつこはもうちょっといればいいじゃない。二人っきりよー」 なんて言いながら貴子がニヤついた。 この変態め。