「俺だって“裕也”って呼んでほしいんだけど」 少し唇を尖らす裕也に、なつこはクスリと笑った。 そして 「……裕也」 遠慮がちに名前を呼んだ。 「もう一回」 “裕也”と呼ばれた瞬間に笑顔になり“もう一回”と催促をした。 「イヤよ」 「えー、俺何度も呼んだのに」 「それは勝手に呼んだんでしょ」 「ひどい」