ナピュレの恋【完】


「それでその嫉妬っていうのは?」


抱きしめてた手がなつこの両肩を掴み、ゆっくりと離された。


「な、まえ…」


「名前?」


裕也が分からないとでもいうように首を傾げた。


「あたしは“なつこさん”で元カノは呼び捨て…」


ここまで言って自分に恥ずかしくなった。


なんだ、この幼稚な嫉妬は。


なつこが下を向くとクスリと裕也が笑ったのが分かった。


「なに、幼稚だと思ったんでしょ」


なつこは裕也を睨み付けた。