「追いかけなくて良いの?」 なんて無駄なことを聞いてみる。 「どうして?追いかけてほしいの?」 違うよ、確認したかっただけ。 余裕なんか全然ないんだよ。 なつこは無言でフルフルと首を横に振った。 「何か、ごめんね。行こう?」 裕也に引っ張られたが、なつこは動こうとしなかった。