その時だった。 「裕也!?」 その声と同時にパタパタと近付いてくる音。 なつこは手を離すべきか悩んだ。 あの時は、お客さんだった。 だから見られたらマズイのかと思い離そうとした。 だけど、この女性は違う。 客なんかじゃない。 じゃぁ、なに? 友達? いや、違う。 友達なら避けたりなんかしない。