ナピュレの恋【完】


そして一人の女が裕也に気付きこちらを見た。


「裕也く~ん」


得意の甲高い声。


「もう、看板の電気消えてたからビックリし……」


話の途中で止めた女。


三人とも目が、なつこと裕也の手を見ていた。


やっぱり耐えられない!!


そう思い手を離そうとするも、またギュッと強く握られ離してはくれなかった。


「ごめんねぇ、どうしても急用があって店閉めたんですよ」


そう謝って笑う裕也の笑顔は目を細めているだけで、なつこはすぐに“出た!営業スマイル!!”そう隣で見ていた。