そして顔を近付け


「どうする?本当に人、誰もいないよ?」


小声で喋ったが、なつこの耳にはしっかりと届いた。


「だっ、から!!無理だってばっ!!」


裕也の胸を力いっぱい押すもピクリともしない。


「本当に無理かなー」


首を傾げた裕也は次の瞬間なつこの首に顔を埋めた。


「―――やっ」


甘い声がなつこの中から出る。


「ほら、無理でしょー」


そう言いながらも、なつこの体から離れて裕也は立ち上がった。


「ゆ、うや…くん?」


なつこが首を傾げると


「本当にやるわけないでしょ。なつこさんの体は俺だけが見るの」


照れたのか裕也は顔を背けた。