「最初はね、秀二違う人に恋しててね」
なつこに優しく仕事を教えてくれた秀二。
なつこはすぐに恋におちた。
「あたし秀二と付き合うのに一年かかったんだよ?」
そこまで言うと“えっ…”と、彩花は目を大きくした。
「秀二の目の先には、いつも違う人がいたの。でも、どうしてもあたしを見てほしくてまずは仕事を頑張ったわ」
仕事で少しでも自分を見てほしかったし、認めてもらいたかった。
「合間にゴハンだって誘ったし、たくさん話し掛けた。でもやっぱり、秀二はあたしを見てくれることはなかったの」
一年必死に頑張った。
「じゃぁ…どうして二人は…」
一番聞きたいとこだよね。

