秀二は一瞬苦しむような顔をしたあとに“あぁ”とだけ言い 「なつこ…幸せに、な」 そう言い残し一人夜の道を帰って行った。 秋本秀二…あたしの好きだった人。 5年間、愛し愛された。 そんなあたしたちの関係はガラスのようにパリンと壊れちゃったけど、この5年間確かにあたしは幸せだった。 「ありがとう!!秀二!!」 少し遠くなった背中に叫ぶと秀二は片手を上げ振り向くことはなかった。 “なつこごめんな…そしてありがとう” そう言って涙を流してたことは当然なつこが知ることはなかった。