「でも俺は、なつこさんの気持ちを優先するよ?」 「あ…たしの、気持ち…?」 「そう、なつこさんの気持ち。少なくとも彼女は本気で彼を好きではなかった。だったら、なつこさんがまだ彼を好きなら……って、なつこさん!?」 なつこは裕也に抱き付いた。 「そ…んな、悲しいこと…言わない、でよ」 「なつこさん…?」 今、ハッキリと分かった。 あたしは裕也くんが…好き、なんだって…。 「好き…なの」 なつこは裕也から体を離し、裕也を見上げた。