「どうして…」 「新山…さ、ん…?」 彩花の目はとても哀しそうで、なつこは思わず声を掛けていた。 「なんでなつこさんばっかモテるのよ!!」 「え…?」 あたしばっかって何を言ってるの…? 「あたしはずっと中村さんが好きだった」 彩花がポツリポツリと喋りだした。 「中村…ってウチの中村くんのこと…?」 なつこの言葉にコクンと頷いた彩花。 中村くんは、あたしより二つ下だから28歳。 頼れるお兄さん的な存在で若い子たちから人気があった。