ナピュレの恋【完】

「ゆ…裕也くんっ!?」


聞きなれない裕也の声に、なつこは後ずさりした。


急に男の顔になるとか反則!!


手さぐりで後ろに手をやると、さっきまで自分が座ってた椅子に手が当たり、それを掴みながらすばやく立ち上がった。


「そんな焦って立たなくても、ここじゃ襲いませんってー」


サラリという裕也の言葉に、“ここ以外なら襲うんかい!!”と、心の中で突っ込んだ。


「あまり、おばさんからかうもんじゃないわよー?」


自分で自分を“おばさん”と言って勝手に落ち込んだ。