時には喧嘩だってしたけど、あたしが泣くのを堪えてると“ごめんな”って謝ってくれた。 式だって本当は挙げるつもりなかった。 でも“一生に一度だから”と、式場を探してくれた。 新山彩花…まさか後輩に取られるなんてね。 だからか。 最近新山さんと目が合うと鼻で笑うように見られてたから。 「いいよ」 「えっ?」 いつだって秀二は大人だった。 今度は…最後くらいは大人になってやろうじゃないの。 「別れましょう」 あたしは秀二と別れた。