なのに、なのにやっと気づいたのに… 香織じゃない。私なのに… 奏多は背を向けて去って行く。 「っ奏多っ!!」 「…なに?」 「さっきの… いや、なんでもないや。また明日ね。」 「おう。」 待って…待って… 行かないでよ!! 行かないで…… 香織よりずっと前から好きだったのに なんで香織なの? 転校してきたばっかりの香織なの? 私だって奏多の顔が好きなわけじゃない。 何故かほっとけなくて、綺麗な笑顔が見たくて… さりげない優しさが嬉しくて… 「奏多ぁ…」 泣き崩れた。