おかげで思い出しちゃったじゃない。
観覧車に乗る前の奏多との写真は、私の机の上に飾った。
奏多の笑顔はどこか私を安心させてくれる。
なんとなくどこかでみたことある気がするんだよね。
遠い記憶の私の王子様…みたいな?
「そんなに幸せだったのね。
お母さん、嬉しいけど羨ましいわ。
あー、私も青春時代を思い出すわ。」
「はあ…。
お母さん、パン焦げてるんじゃない?焦げ臭いよ。」
「…あらやだ。
真っ黒になっちゃったわ。ごめんね。」
なんて言いながらアハハ…なんて笑ってるお母さんに呆れながら、炭のような色をしたパンをかじった。
…はっきり言って苦くてまずい。
その時、
