私は急いでカバンを持って階段を降りた。



「お待たせ!!」


「にしても風乃はカッコいい彼氏がいるのねー。
お母さん嬉しいわ!!」



と言われて“彼氏”と言う言葉に奏多が嫌な顔をすると思っていたら


「いえいえ、こちらこそこんな可愛い娘さんを彼女に出来るなんて…。俺は幸せ者ですよ。」


と笑顔で返した奏多に驚いたし、すごく嬉しかった。


まさか奏多の口から“彼女”って言われるなんて…嘘だとしても嬉しくて、嬉しくて…


口元が自然に緩んでいくのが分かった。