「裕太、それって・・・。」


「何でなんかな・・・めっちゃ腹立つねん。」


頭をクシャクシャかき俯く裕太に「あたしの事、好き?」と聞いてみた。
何で聞いたのかはわからない。でも自然と口から出た言葉。


「好きやで。普通に好き!何で?」

「それって友達として?」

「んー・・・それ以上?」


笑って話す裕太に自然と話せてる自分が嬉しかった。


「それってあたしに恋してる・・・?」


なに自分で自意識過剰なこと言ってるんだろうと思ったけど、ここまで言わないと裕太は鈍感だから・・・。


「恋・・・?!千亜に?!俺が?!」

「うん、違う?」

「・・・恋なんか?!コレが?」


驚きっぱなしの裕太に笑いがでた。


「あたしが元カレと話してたりしたらモヤモヤするんでしょ?」

「うん、腹立つわ。」

「それって恋って言うんだよ。」


裕太は相変わらず驚いてたけど最後に「俺、千亜に恋してるんやな」と笑って言った。
この天然鈍感アホ男の裕太と、こうして両思いになれて嬉しいけどラブラブカップルになるのはまだまだ遠いそうだ。


「ねぇ、裕太あたしさっき光輝にキスされたでしょ?」

「光輝?あぁ、元カレの事か?」

「うん、だからね・・・。」


あたしは自分からチュッと頬に唇をぶつけた。


「え、ちっ、千亜!」


赤く染まる裕太の顔につられ自分の顔も赤くなった。
まだ唇にキスできるのはもっと先だね。
こんな天然鈍感アホ男を好きになって良かった。


「千亜、また弁当作ってくれへんか?」

「勿論!彼女だからね!」


これから先が楽しみだね、裕太。
天然でも鈍感でもアホでもあたしは君が好きなんだ。


end