「あたし、祐太が好き！」


オレンジ色に染まる教室の中で好きな人に想いを告げる。
あたし岡本千亜は同じクラスの松本祐太に片思い中。
今日の告白の為にあたしはたくさん努力をした。
放課後に呼び出しするのだって心臓が壊れるかと思うぐらいドキドキしたんだから。



「何や？俺も普通に好きやで？」


裕太の返事に凄い驚いた。
ふと下に向けていた顔を上げるとニッコリと笑った裕太の顔が見えた。
たぶん今のあたしの顔は過去にない真っ赤な顔だと思う。


「だって俺等、最高の友達やからな！」


･･･はい？
その言葉を聞いた時、あたしの頭は真っ白になった。


「え、それって･･･！」


あたしに不安が押し寄せてくる。
もしかして裕太は何か勘違いしてるんじゃないの？


「ん？俺等お互い好きって言える仲とか凄いな！」

「あの、そうゆう意味じゃなくて･･･！」


二人きりの教室に響き渡る虚しい声。
裕太は相変わらずニコニコしてる。
あたしの気もしらないで･･･。


「話しってそれだけか？好き言うぐらいで呼び出しとか千亜もアホやなー。」

「ちょっと待ってよ。アホは裕太の方じゃん･･･！」


今にも消えそうな声で呟いた。
もう悲しすぎて大きい声なんかでない。


「え、千亜？何で泣いとるんか？！」


裕太に言われ右手を頬に当ててみる。
本当だ。あたし涙がでてる。


「裕太のせいだから･･･！」


そう言い残して机に置いてあった鞄を持ち教室から飛び出した。