ーside明瑠ー



「マネジャー、本当にありがとう」




あたしの目の前にいる風雅はそう言うと頭を下げた。




「そんな、いいのに」




あたしはそう言って風雅の肩を持ち、頭を上げさせた。




今はコンサートが終わった直後。




彼は汗まみれであたしの元へ掛けてきたのだ。





「いや、本当になんてお礼を言えばいいのか分からないけど感謝している」




そう言って、片付けへと行ってしまった。