ーside咲夜ー




俺はラジオ収録の部屋から出て、外へ向かって歩いていた。




ずっとあいつが好きだった。





こんなに人を好きになったのは初めてだった。




『別れよう』



そう言われて家に帰った日どんなに泣いたか分からない。




そんだけ彼女が好きだった。





あれから彼女に逢うことを避けていたのに、今日のラジオ収録。





ダメだ。




やっぱりまだ彼女を見ると切なくなる。





好きとかそう言う感情は押さえていたはずなのに。




溢れ出してくる。