「だーかーらー…」




ルイは空いている右手で恵梨香の顎を上げ恵梨香は上を向かされる形になり、ルイはそんな恵梨香を見下ろすように見ていた。




「…」




対して恵梨香は睨むような目付きでルイを見ている。




「俺の彼女になってよ。」




ルイは意地でも恵梨香を自分のものにしようとしていた。




「イヤ。」




恵梨香は冷静にキッパリ否定し、冷たく言い放つとルイの腕と体の空いている隙間をくぐりルイから離れた。




ルイは振り向き、恵梨香に話し掛けた。




「なんだよ、冷たいな〜。でも…絶対、俺のものにしてやる。だからさ、連絡先教えてよ。先ず、そこから始めようか。仲良くなるための第一歩ということでさ。」




「はぁ〜…」




恵梨香は溜め息をつき面倒臭い奴と関わってしまったことに、酷く後悔していた。




――――――――――




それからというもの、こうやってちょくちょくメールがくるようになってしまった。




(あの時、アイツと出会ってなければ、こんなことにはならなかったのに…。)




(今度の休みか…どうしよう…デートなんてしたことないのに…)




恵梨香が悩んでいるのを察知したかのように奈緒子は話し掛けてきた。




「大丈夫だって!そんな不安そうな顔しないの!」




奈緒子は元気付けようとしたのか、振り向いている恵梨香のほっぺたを軽く引っ張っり、奈緒子は恵梨香かの顔で遊んでは笑っていた。




恵梨香は頬っぺたを引っ張られているので、笑顔は作れないまま菜緒子のオモチャになっていた。




「あのひゃ、頬っへたイタひんやけど…」




恵梨香は必死に菜緒子に頬っぺたの痛みを伝えたが、奈緒子はそんな恵梨香を見て、ずっと笑ったままだった。