「どっちみち結婚は兄貴からだ。じゃなきゃ納得がいかない」


「いやお前だろ。親父は俳優の俺より社長のお前のほうが大事だ」


「…兄貴が俳優になるからだよ。じゃなかったら、僕は今頃平凡な人生を…」


「それはないな。お前にとって、権力を振りかざせる地位にある社長は天職だよ」


…まぁ、その点は否めないな


兄貴に社長が務まるはずもないし


何より僕の経営センスは天下一品だ


それは周りの誰もが認めてる、あの親父でさえもだ


だから僕に会社を託した


そうだろ?