「…で?皐雅は結婚するつもりか?」


「……親父のご希望ならね」


「わぁーお。さすが社長は言うことが違うね」


感心したように兄貴が呟いた


「結局、僕の結婚は会社の繋ぎでしかない。希望の相手と、なんて夢を見るつもりもないよ」


「うーん。俺は夢見る少年だからな〜」


「32にもなって少年はキツいよ、兄貴」


「お前だってもうすぐ30だろ」


「…まだ29だ」


「じゃあ、お前こそ結婚の時期だな」


ニヤリとキラースマイルを僕に投げかける