なんでそんなことしたかはわからないけど、無意識に手を伸ばしていた 「……っは、離してよ…っ」 「正直じゃねぇな。泣きそうな顔してるクセに」 「そんなこと…」 「嘘はいいから、黙って抱きしめられてろ」 あれ、なんだ素直だな 僕の腕の中で静かになる夏木さん 途端にまた、息が苦しくなった 喋り過ぎたか… 「……っは、っ…く…そっ…」 「大丈夫ですか?」 「っ、わ、るい。今、薬を……」 ポケットを探って、ため息をついた