「お前は僕の何を知ってる?何を知ってて僕を貶(けな)しているんだ?」
世界トップに君臨する財閥の社長だぞ?
お前なんかが容易に口を聞けるような相手じゃないんだ
「…何も知らないわよ」
「開き直るな。僕だってお前のことを何も知らないんだから」
「そうね。フェアじゃないわね」
「あぁフェアじゃない。だからこうしよう」
僕は両手を広げて持ち上げたのを見て、夏木さんが不思議な顔をした
「…君のことを教えて」
「え?」
「互いに自己紹介しよう。これから一緒にここに住むんだから」
我ながらなんて冴える頭なんだ
僕をこうなるように仕組んだ神様にお礼を言いたい

