極上☆ラブパワー




僕は答える代わりに顎に手を置いた


あるわけないだろ


さっき決めたんだから、何もかも家だ


携帯だって捨てたから連絡だってとれないし、家に帰るのも面倒だ


「……あ。」


車があったな、車に何かあるかもしれない


「ちょっと車に行ってくる。というか、ここに車を停めても平気か」


もう歩いて来たくない


「……あー、はい。裏に駐車場があります」



「じゃあ、話はそれからだ。僕は車を取りに行く」


「はい、わかりました」


夏木さんの言葉に頷き、車のキーを掴んでコテージから出る


こんなコテージに泊まるのは性に合わないが、キャンプに来てるのだと思えば悪くない


なによりあの女……


夏木莉桜といったな


「…退屈しのぎになりそうだ」



鼻歌を歌いながら、森の中を歩いて行った