「じゃあ、カイトさん!」
「………はい」
「ここが、あなたが泊まる部屋です」
……え
開かれた部屋に、恐る恐る足を踏み入れようとした僕の袖を夏木さんが掴んだ
「なんだ」
「……靴、脱いでください」
「えっ、あ、悪い」
そうか、普通は靴を脱ぐのか
風呂と寝るとき以外は脱いだことなかったが、仕方ないから覚えておくか
「………なんてセンスのない部屋だ」
女っぽい、オレンジとピンクにまとめられた部屋
なにより小さいし、狭い
「こんなの、僕のクローゼットより小さいぞ」
「はい?一体どんな家に住んでるんですか!」
どんなって、何もない大きな庭に建つ普通の家だ
とにかくこんな家より豪華なやつ

