「…あ、いや…」 「カイト!?あのカイトと同じ名前だ!」 ぱああと顔が明るくなる夏木さん 「あの、カイト?」 ってどのカイトだ 僕が知ってるのは1人しかいないけど あぁ、思い出すだけで気分が悪い… 今頃あいつはまた、得意の寒気がするくらいの笑顔をみんなに振りまいてることだろう 俺には到底マネできない 俺はきっと、生まれてくる前に母さんのお腹の中に“愛想”を置いてきたんだ いや、兄貴にすべて吸い取られたか? 「人気俳優の、カイトですよ!」 女の声で我に返った